HHPったらエンターテイナーだなあ
キララ
あ、あともう1個今回、話をしなきゃいけないことがある。今回すごい特徴的だったなって思うのは、闇のムー×悟空α。
あれを見て何を思った人がいるかは知らないんだけど、「HHPったらエンターテイナーだなあ・・!」というのが俺の感想なんだよ。
だって、別にあれなくても戦えるじゃん。ヤクモより速いパーティというよりは、ヤクモと戦えるパーティじゃない。
HHP
そうですね(笑)
僕がプロになって初めての大会ってのを、せっかくグランプリ2023決勝大会に向けて練習した編成でもあるので、できれば配信台で決めて「盛り上げられたらいいな〜」っていうのは結構ありました。元々ある程度詰めてあったモノですし。
でも、最初は詰める手間が省けるかなって思ってた部分もあったんです。元々やってたことだし。ただ、結果全然大変だったんです(笑)絶対におニャンコポン詰める方が楽だったんですけどね。
キララ
ヤクモパに戻ってくることは余裕で出来たでしょ。そもそも2ndやってたんだから。
HHP
はい、もちろん。ただ、新しくプロになった身として、ちょっと配信をスタジアムの競技シーンを盛り上げられたらいいなという思いは結構でかくて。
キララ
気持ちはわかるよ。賞金も出る大会の中でとるリスクなのかなって思ったんだよね。一応言っておくけど褒めてるんだからね。
HHP
自分の実力を、何かどこまでいけるのかなっていうのをちゃんと確かめたかったってのは若干ありますね。過去の歴史にもいくらでもあるんですけど、ああいう絶対的に強いキャラ、要は八雲をわざと使わずに、戦う場合っていうの大体負けてるんですよね。
キララ
もちろん存じ上げております。
HHP
本当にピック後攻なわけでもないし、好きなパーティでどうぞって言われてるのにあーいうのを使っちゃう。戦略としては下の下なんですけどね。
キララ
わかりますよ。そういう盛り上げたい気持ちーみたいなものも。
HHP
もうなんか今回はそれよりもちょっと盛り上げたい気持ちがあったっていうのと、ここでムー決めることで何か自分に自信もつけたかったっていうのはちょっとありますね。
キララ
意地悪な質問をちょっと続けます。
【盛り上げる】って言葉が出てきたんだけど、言ってしまえば変なキャラが出てきただけじゃん。
HHP
(爆笑)
キララ
それを盛り上げるっていうのさ、落ち着いて考えたら変じゃん。もちろん盛り上がったんだよ。めちゃくちゃ現地は盛り上がっていた。現地は盛り上がったんだけど、その行動が盛り上がるっていう風に今まで自分が見てきた中ややってきた中で経験したことは過去に何があるのかな?
要は、これ王道じゃんみたいなキャラクターを外してるわけじゃない。
決して飛車角落としではないんだけれど、その行為が盛り上がる楽しいことだと、どこで認知してしまった?
HHP
う――――ん。(長考)・・・一番最初のジュニアグランプリの関西予選で、マゼラン砲ですかね。
キララ
あーーーー。なるほどね。
HHP
みんなパンターとか使う中で、オリジナルなものをやって、最後マゼランのSSどこからでもフィニッシュっていう。ちょっと綺麗な形ですよね。あれが多分一番最初のなんかちょっと盛り上がってくれたらっていう気持ちがありました。
キララ
観客の方とか舞台に立ったことのない人が知ってるかわからないから、説明もしておくとYouTubeのコメント欄に見えないじゃん。試合中とかって。
HHP
そうですね。
キララ
現地にいる人のリアクションしかプレイヤーはわからないはずだけど、それが気持ち良かったなのかな。なんなんだろう。
そのエンターテイナーっぷりの源泉というか、マゼラン砲のときに感じた感覚が、その盛り上げたいっていう気持ちの源泉になっていて、その延長上にムーがいると思うんだけど。
HHP
そうかもしれないですね。あのマゼラン砲がだいぶ気持ちよかったんです。
キララ
そりゃそうだよね。自分たちの編成を表で出す気持ちよさってのは元々あるべきものだし。どこかで勝利至上主義みたいに俺もなってしまったけど、その感覚は忘れちゃいけないものなのかもしれないね。源泉の源泉まで辿ると、俺も「幕張でリコル使いてぇ・・!」だったもん。
HHP
やっぱそのスタジアムをやってる人間にとっても、どこまでいっても自分で編み出した編成を今回、ベースの考察をしたのは元々Springなんですけどね。自分たちのチームで編み出した編成を本番で決めるのってやっぱどこまでいってもロマンなんで。
キララ
そうだね、一番楽しい瞬間だよね。
HHP
そのマゼラン砲の感覚の延長線にいますね。
今回のグランプリの場合はコメント欄が特に ヤクモゲーってコメントも多かったからそれもあって、ヤクモ以外が1人いたら面白いかな?って。
キララ
だからといって、グランプリでもしも過去に戻って、先攻が取れる状態で絶対にあんなものは取らないよね。
HHP
絶対に取らないですね笑
キララ
だよね、わかってて聞いてるけどさ。でも、今回もグランプリと同じ賞金制の大会だよ。
それをもちろん知ってたから、エンターテイナーだなーって思っちゃうわけよ。
キララ
だから、俺さっきあの質問したんだよ。
さっきあの質問:
キララ
「HHPくんさ、BEST32でフューチャーズマッチで人前で俺と戦ったじゃん。
3本目まで行ってたら、闇で勝負だったと思うんだけどそうなったらムー使ってた?」
HHP
「はい、絶対使ってました」
キララ
俺さ、気持ちのいい状態のやつには勝てるわけないってずっと思ってるんだよね。
だから自分が気持ちよくなるようにずっと戦ってきてるの。俗に言う会場を味方につけるってやつね。解説だってそっちに傾くし。
決勝戦とかは別だよ。決勝にいる時点でみんな気持ちがいいから、そこまで行くとん気持ちよさ以外の要素とかの方が大きいと思ってるんだけれど。
あの環境でムーいれられたら、その時点で負け確定してたね。シュリンガーラで負けといてよかったって保身で思っちゃうわ。あんなんで負けたら後に響く。
HHP
あと、チームだとさすがにあのムー使うという決断はできないんで。所詮は、後攻用の編成でしかないですから。ソロだし、ちょっと自分が暴れてもいいかなっていう感じです。
キララ
クリスマストーナメントいう大会を、発表会としても楽しんじゃったわけだ。
HHP
でもやるからには相応の覚悟がないとって思ってめっちゃ練習しましたね。
キララ
もちろん後攻編成で、グランプリ向けに用意してたものだと思うのだけれど、そっからもちろんさらに改良されてるんだよね?
HHP
そうですね、グランプリ時点では、数%ぐらいの確率でなんかデピパンとムーが重なってしまったり、9点目で重なって、ムーの配置がずれちゃったりとか、そういう部分まではちょっと時間がなくてつめ切れなかったんで。
やっぱムーって別に、決めたら勝てる編成じゃなくてないんですよね。おニャンコ×ヤクモパってめっちゃ早いんで。
HHP
で、Springに勝つために、デビパンのss切れないかなとか考えたり。特定の位置はデビパンのSSで切れるようにしたり、3点目の止まり位置が実はめっちゃ重要ってことを、このクリスマスの準備中に発見したんです。
だから、1手目2手目3手目しっかり打つ。
キララ
!?!? 3手目なんて未だに適当ですよ、こちらは。
HHP
あれがプルケが、このパターンに置く止まりしなきゃいけないとか、手前に止めなきゃいけないとか。それをちゃんと詰めて。今日Springと当たって、デビパンのSS打たずに驚かせたろ!っていうそういう面もあったんです。
キララ
それは10月頭にあったモンストグランプリ決勝大会時点では持ってないノウハウってなんだよね?
HHP
ですです。そのときは全部デビパンss打ちです。
プルケの止まり位置に関しては理解がなかったら、わかんなかったです。デビパンとムーの位置の掛け算しかわかってなかったです。
キララ
んそれを、そこは3手目で様々な調整が入れることがあって、成功率を高めることができそう。というのを発見して、伸ばしていったと。
すげえな。プルケ3手目って、あれハマり方って何パターンあるの?ヤクモパのプルケの使い方だと3,7倒しきれればなんでもいいじゃんね。
HHP
3手目は、縦目に打ってるってのもあってそんなに多くはないですね。
手前・普通・なんかちょっと浮いてる そんな感じで僕自身は結構3パターンぐらいに大別してます。
キララ
要は仮に停止位置が10個あったとしても、3個に分ける程度でどうにかなるし、それであれば打ち分けて狙うことができる、と。
HHP
はい。
キララ
まとめると、「CEOのムー10手は、2023GP時点では 少し荒い部分があったけどそれを詰めようとした。ミスるときの原因が3手目の打ち分けの甘さだと仮説を立てて、停止位置を大まかにわけて3種とすることで解決することができそうだと判断し、停止位置を狙えるようにして、結果的にムーの成功率をできる部分で100%に近づけた」ということですか
HHP
そのとおりです
キララ
・・・ド変態ハゲパンツじゃん。ヤバいわ。
立ち回りのバージョンアップ
キララ
で、デビパンのSSを切れるという選択肢も増やした、と。
当時とパーティーは一緒でも中身はだいぶバージョンが上がったということだね
HHP
はい、バージョン上がってます。
キララ
これ、すっごいことなんだよなー。
バージョンって・・バージョン2.10が2.1.1になりましたみたいなのがあって数があがっていくじゃん。
HHP
はい。
キララ
ざっくりだけど、これってメジャーアップデートってのが入ると 3.xになるんだよ。 2.2になりました、みたいなのをマイナーアップデートなんていうふうに言ったりするんだけど
HHPくんの中で、メジャーアップデートってどんなときにどんなときに1桁数字あがります・・?さすがにメジャーアップデートってなると、キャラが変わってくるかな。
HHP
編成のですよね。今回のそのムー悟空はメジャーアップデートとほどまではいわないですね。でもアプデ3回くらいやった、みたいなかんじです。
— 追加機能
- ムーとデビパンの重なりバグを修正しました。
- 上振れ要素でデビパンのSSを打たないでいい初期位置を発見しました。
- 3手目の打ち分けで細かなエラーを修正しました。
ただ、まだ100%にはならないんですよ。デビパンSS切り、これがもしも100%にできればメジャーアップデートですね。オニャンコヤクモに100%勝てる編成になります。
キララ
もうそれはアップデート完了しきった製品版ですよ。そうなったら「ヤクモつかってるやつは雑魚」ってなりますわな。
考察のひよこが先か卵が先か
キララ
さっき、考察とか練習の話があったと思うんだけど。考察(ここでいうのは編成づくりという意味でもなく、編成をバージョンアップさせていく作業)についてもう少し話を聞かせてください。
HHP
はい、喜んで。
キララ
これは人によって違う気もするんだけど、そのバージョンアップのゴールってどこで決めますか。
段階によっても違うと思うんだけど
要はプレイしていて「これ出来るんじゃないか?」という仮説を立ててからそれをやってみるのか、それとも、なにか出来るものを練習中とかに発見して、そこからその可能性を探っていくというか。
HHP
今回の場合だと、もう伸びしろが限られていたんで 止まりを早くするとか演出を切るとか。運ゲーになっているところを運ゲーじゃなくするとか。理論的に改善できる点がハッキリしていたので、そこに向かって改善をしていきました。
キララ
いつもそういう感じ?とりあえず試していて、遊んでて発見した。なんて人もいるのかなって思うんだけど
HHP
結構理論的に考えてからやるタイプだと思います。明確な動機がないとアップデートをする方向になるってことはあまりないタイプかもしれないですね。
理由をみつけてからやる、というか。とりあえずさわる、みたいなことはあまりしないかもしれないです。
キララ
ロジカルなのに、エンターテイナー。いいね、相変わらず推せるわ。
今回のムー×悟空αに関してはどういう順序でそこにたどり着いたんだろう。
元々グランプリ時点であったこの立ち回りをクリスマスにやろうって決めたのが先なのか後なのか。
HHP
なるほど、その順序自分でもわかんないけど、とりあえずこの立ち回りを良くする必要がありました。
これを良くするっていうときに、どういう順序で、ここを良くできないかみたいな形は出尽くしたかなって思っていたんです。ちょっとしたタイム短縮の方法とかも出尽くしていて。
キララ
そうだよね、かなり無駄がないもんね。無駄があるならSSってことになったわけかー。
HHP
はい。ムー×悟空αの限界値とオニャンコ×ヤクモの限界値みたいのがわかってその上で、なんかるんるんさんと話したときにワンチャン、デビパンのSS切れるんじゃない?って話になって。
もうデビパンなんてさわりまくってるんで、無理だろって思ってたんです。普通にワラー(水のザコ、waterが語源だと思う)が当たる位置にいることもあるので。
なので、そのときは否定したんすけど、よくよく考えたら、「できるときはできるかもな?」って思いました。
もちろんこのSSを切ればいいっていうのは、明確にそのあの編成を改善する上で、1つのパーツではあるんで。
キララ
そりゃSS切れればいいけどさ。かなり無茶はある注文に聞こえもするけどね。
HHP
そこでまずやってみたら、ムーが特定の位置にいたときは、デビパンのずれ方なんか決まって数通りしかないなっていうのを調べていくうちにわかってきて。
その後、ムー・デビパンのかぶりも絶対何か原因があるはずだと思って、そのずれ方が2通りしかないなら。
今まで運ゲーだと思ってたんですけど、デビパンの位置の組み合わせで動画とかなんか何回も撮って、違いを見比べてそれで原因を究明して、結果は3手目をちゃんと止まり位置を分けることだった気づきました。
キララ
やってないから検討もつかないけど、そこにたどり着いたの本当にすごい。
3手目の位置ってことは、白爆の範囲の話・・になるのかな?
HHP
いや、白爆を拾うタイミングです。
プルケが奥に行くと、ムーが遅れてさわるんでそれで結果が代わります。
キララ
バケモンやん。ちょっと問題発見能力高すぎないかな。
自分でやってないし、そこの現場を見てたわけじゃないから、わからん部分の方が多いんだけど、最初は仮説だと思うんだけど、3手目が原因だって気づくのって難しそうな気はするけどね。しかも1人でやってたんでしょ。
チームでやってたら、まだわかるんだけどね。
HHP
何やるにしてもね対照実験の考え方は大事ですね。
流石に学がありやがる。対照実験。素晴らしいですね
キララ
素晴らしいですね。これの出来ていないの多さたるや。仮説検証には必須です。
HHP
はい。スタジアムに於いて
位置Aから、目印Xに打ちました。決まりました。
位置Bから、目印Yに打ちました。決まりました。
キララ
その情報にはなんの意味もないね。
HHP
ですね、本当になんの意味もないです。
キララ
AからXに打ちました、決まりました。
BからXに打ちました、決まりませんでした。
は意味があるんだけどね。
HHP
そうなんですよ。
なんなら
位置Aから Xに打ちました。決まりませんでした。
位置Aから Yに打ちました。決まりませんでした。
これもAがキーになってますもんね、ちゃんと対照実験になってるから意味がある。
HHP
Xに打ち続けるっていうことをやらなきゃいけないんで。
キララ
なんかさ、このゲームの根底がわかっているというか、もっというとデジタルなゲームの根底をわかっているよね。だからロジカルでいられるんだろうね。そもそも初期位置が1つ違うって見抜くだけでも大変だし、その辺が理解できてないプレイヤーってやっぱり多いと思うよ。
キララ
で、再度詰め直した運ゲーだと思っていた要素を潰しにいった。それで潰せたっていう話をしてるんでしょ。
HHP
うん、そうです。
キララ
いや、わかるよ。わかるけど、ばかじゃん、バケモンじゃん!
HHP
ただ、1個だけ、もうこれだけは無理って諦めたのが、たまにハマって、左下に飛んでムーに重なることがあって、それだけはもう、もう明らかに無理でした。
もうなんかもういろいろな要素が重なってしまう。
悟空もずらされまくってるんで、8手目決め打ち調べる余裕もないじゃないですか。だからそれだけは諦めてました。
それ以外に関しては本当に成功しなかったことに失敗の理由の説明ができます。
キララ
あの立ちまわりで、全てのミスに説明ができるって・・?何を言ってるんだお前は
HHP
そこまでしないとあの編成は使えない。負けてただのイキリパになるという自覚が本当にあったので、そこはかなり執念でやりました。
キララ
いやすげえよなあ。エンターテイナーの要素を持ちながら、アナライズができちゃう。
この二つを持ち合わせてる人ってあんまりないと思ってんだよ。
それを叶えるためにロジカルな考え方を持ってきて、最後にそれを埋めたのが執念。
バケモンだよ、なるべくしてプロになってるわ。
キララ
どれとっても、みんなが参考にしてみたくなる素敵な話をありがとうございます。
なんか本当は大会についていろいろ聞こうと思ったんだけど、大会についてはね、あっち(Springくん)でいっぱい聞いたので。
次どこかで優勝して、HHPくんのストーリーを紹介させてください。今日はおつかれさまでした!
HHP
ありがとうございました!