やっとインタビュー開始
キララ
Spring選手、本日は優勝おめでとうございました。色々お話を聞かせて下さい。
Spring
はい、よろしくお願いします。
キララ
色々聞きたいんだけどまず・・!今日大会前に優勝できる確率何%くらいだと思ってました?
Spring
50%くらい・・・ですかね。
キララ
50%!? すっごいな。
Spring
結構ちゃんとやってきたんですけど、それでも運があるから背伸びして50%かな〜ってところでした。
キララ
トーナメントでの相手も運だし、実際キツいところだよね。
それでも50%で数字を読むのは本当にすごいな。俺今まで50%以上で優勝できると思って臨んだの地方予選くらいしかないよ。
Spring
あ、でもそっから初期運とかも絡めたら、下手したら50%切るかもなとは思ってました。
キララ
でも、50%勝てると思ってる参加者はほぼいなかっただろうね、きっと。さすがでございます。
その50%の中に、運の要素があったと思うんだけど、一番引きたくなかったのって何?
俺はそんじょそこらのインタビュアーとは違うので全然具体的でOKです。
Spring
(笑) そりゃ心強いです。
僕、実際、おりょう右上直しか見てないんすよ
キララ
なるほどなるほど。とりあえず2P高いのは引いてくれるなよーと。
引いちゃう確率ってたぶん15%前後だよね。そこは引いた「もー知らん!」ってことね。めちゃくちゃいい割り切り方だね。
Spring
1番運にかけてたのはそれですね。全部を1人で全部詰めるのって出来ないので、そこが一番に練習足りてなかった。「直で行かせてくれたらありがたいなー・・。」って思ってました。
Spring
あとは、シュリンとか8手勝負だったら、初期位置運が絡むし
キララ
俺が用意してたら8手とは違うっぽいから聞くけど、それは止まりのスピードとかっていう話?
Spring
ですね。できるだけ早め友情拾いたいとかそういう要素です。1.5〜2秒くらい変わっちゃう。
キララ
あーー、そうか。きちんと詰めてるとそこが初期位置依存になるのか。ルシ拾うタイミングが変わるってことね・・!うちの場合は、1P2Pの打ち方依存だったから一瞬わからなかった。
Spring
その通りです。運要素で1,2秒遅れるものがあってそれがきっかけで相手に負けてしまうっていうのは割り切ってました。
Spring
あと闇のステージの7手目の減速壁。もちろん相手にもよるんですけど
自分だけいいの来ないかなーって思ってました(笑)
キララ
そうか、3rdが風神雷神だもんね。自分はそこに大きくは左右されなかったけど、超減速持ちだと難易度変わるよね。引かない方がいいよね?
Spring
はい。引かない方が僕は絶対いいです。減速壁は一旦全部ひきました(笑)
(※上下どちらかの壁と左右どちらかの壁に減速壁が貼られる。上壁に貼られる確率は50%)
キララ
なるほどね、めちゃくちゃ運が良かったって感じではないんだね。
Spring
はい。トータルで見たら良かった方ではありますけど、悪かったって感じはないです。
キララ
今日もちろん決勝でHHPと戦いたいって思ってた部分があると思うんだけど・・
Spring
はい、もちろんです。
キララ
どの時点で「決勝でのHHPとの対決実現するかもなー」って思った?
Spring
ベスト8勝った時に、僕は決勝まではいけるなって思いました。
何か流れ的に行けそう・・・テキーラズラしてからワンパンしたじゃないすか
キララ
あれは本当にヤバいね(笑) ワンチャンとりにいってそれがそうなるって、本当にすごい事なんよ。
Spring
あれで、今日持ってるなって確信しました(笑)
あれが決まっちゃったんで「これはいけるわ。」って思って
あとはHHPがあがってきたら決勝で戦えるかもしれないって思いましたね。
キララ
TA含めて「あーー今日だめかも?」って思った瞬間って今日ありました?
Spring
はい。BEST32、相手がリオンプロだったんですよ。
僕、初戦の水を落としちゃったんですよ。5手目がピクっちゃってハマれなくて。
で、相手が8手じゃないモンストで来るシュリンガーラで。こっちはリスク有りの8手。ミスったら絶対に負けるし勝ってもCEOやらなきゃいけないっていう。その始まる前のプレッシャーは結構ヤバかったですね。
キララ
そういうのコミコミで50%っていうヨミだったと思うんだけど、それでもプレッシャーはやはりあった、と。
Spring
はい。勝ってもリオンとそのあとCEOで戦わなきゃいけないので・・笑
キララ
その激戦みたかったなー・・。
あとさ、今回前代未聞なことをSpringくんやってしまっていると思っていて。
Spring
?? 前代未聞、ですか?
キララ
ランバト1位、そしてTA1位。そしてそのまま優勝。そんなの聞いたこと無い。
Spring
でも2016の壁ドンズって?
キララ
TA1位、ランバト・・2位とかかな? そして無敗優勝だけど・・母数はあれだけど、レベルが今とは違うよ。本当にすごい。今日の方がすごい。そんなことできるんか、って思っちゃう(笑)
わたくしね、この界隈先頭の方から7年くらい見てますけどこんなものは見たことも聞いたこともありません(笑)
キララ
何に例えればいいんだろう、これ。
Spring
まずTA1位で優勝するってなかなかないですよね。
キララ
うん、全然ないね。
Spring
ピックありでも、決勝大会では後攻が勝つってこと結構多いですし。
キララ
特に今回はTAで1位取る意味って全く・・。
Spring
ないです。全くないです。
キララ
でもそこで1位をとるっていうね。それが意味不明なんよ(笑)
俺なんかはTA1回目でダウンしちゃって。50位以下くらいが確定して。2回目ドベとったら流石にまずいな〜ってなって、2回目ほぼお試しパで使ったこともないエンジェリーディーバとソロモンとかダルタとかいれて、とりあえずクリアして64位避けにいったもんね。59位だったけど。
Spring
笑
キララ
こんな40近いいおじさんが、イモって逃げてるのに、そこでイモらずに決めて1位決めるっていうね。有利不利が後にないからもう別の大会みたいなものじゃん。
ランバトやりました、優勝しました。
今日、TA大会やりました、また優勝しました。
で、今日Xmasカップやりました。優勝しました そんなイメージ。
Spring
シュリンガーラノーミスですもん。
キララ
1個シュリンガーラ、ミスっててもおかしくない試合があったんだけどね・・。
Spring
なんか決まっちゃったんですもん笑
キララ
他に例えようがない。本当にすごい結果だと思う。
Spring
今日はさすがに自分を褒めてあげていいかなーって思います。笑
キララ
もうね、褒めまくってあげてください・・。
じゃあちょっとSpringくんのことを深掘りさせてもらいますよ。
SpringプロとSpringくんを振り返る
キララ
最初のスタジアムは、ジュニアグランプリ2019だよね?
Spring
はい、そうです。
キララ
それ以前はさわったこともなかった?
Spring
さわったことはありました!最初に触ったのが・・氷河ですね。
キララ
炎撃??
Spring
氷河強すぎだろって言われてて、それこそキララさんとかが(笑)
キララ
だって強いんだもん(笑)
Spring
実際「ほんとかな?」と思ってさわってみたくて、で触ってみたらめちゃくちゃ強くて(笑) その頃高校生だったんでキャラもいなくて、使ってみたいキャラをつかってみたくて、なんかさわってたって感じでした。
全部キャラ使えるって聞いて一旦遊んでみたくっていれてたので、それで氷河を試す感じでさわったってのがキッカケだった気がします。
キララ
で、翌年にジュニアグランプリ2019があって・・
Spring
そこまでの間もグランプリ壁ドンズ優勝だったり、、プロツアーも結構見に行ってましたし
あと、ストア(XFLAGSTORE渋谷)でやってたバトルチャレンジみたいなのがあって
キララ
あーーー!懐かしいね!
Spring
それに遊びに行ってから、「これ対戦おもしろいな」って思って。
キララ
なるほど、そこで対戦の楽しさに目覚めてしまったのか!
Spring
目覚めたどころか、対戦をしたのが初めてで。「1人でやるより全然おもしろい!」って思っちゃったんです。しかもその直後にジュニアグランプリがあって。これ、やるしかないでしょ!ってなりました。それが始まりでしたね。
キララ
そこでその冬ジュニアグランプリ、結果はついてこなかったけど・・すぐにグランプリ2019がやってくるよね、確か。そこでも結果がついてこなかった。
Spring
はい、そうですね。
キララ
記憶が確かならだけど、でももうその時点でSpringくんは上手いっていう評価をかなりされ続けていて、それでも勝ち星がつかないのが続いていたと思うんだ。もちろんプレイ1個1個取り出すと上手いんだけどね。
嫌な気持ちにさせたらごめんなさいだけど俺、超絶勝利至上主義者だから・・・。当時 勝ってないのに「上手い」って言われてるのに違和感みたいなのを自分なら感じるなって思っていたんだけど、そういう感覚はなかった?
Spring
いえ、大丈夫です。僕も勝ってこそだって思ってたし、言ってることはわかります。
キララ
本人として、上手いって言われるのどうだったんだろう?って思ってた節があったんだ。なんかすごい大事なところで落としてしまうというか。この前のグランプリの鎌足戦とかも。なんか持ってないよなー・・。というのか、強さと大事なところが噛み合わないというか。
Spring
はい、自分でもめっちゃ思ってました。
キララ
なんかね、「ようやく全部それが噛み合ったか!」って感じが今日しちゃったんだよ。調子だけじゃなくてね、良い日とか悪い日って絶対あると思ってるんだよ。それがSpringくんに風がちょっと吹くだけでこうなるんか!っていうくらい圧倒的なモンがあった。今までの足りなさというか見せれなかった分をね全部ひっくり返すくらいの鬼の強さがようやく表で出たかーって感じ。
Spring
まだ足りないですけど、鬱憤少しは貼らせた感じはあります(笑)
キララ
Spring像っていうのが2つあると思っていて、1つはプロになる前から、プロ選手も認める なんでこの子プロじゃないのっていうくらいの強いプレイヤーとしての像。
その原点を探っていくと、ジュニアグランプリまで遡ることになって、よくよく思い返してみると良い結果ってついてきていないんだよ。ツアーとかリーグも長く参加してきたけど、結果として一番いい花が咲いたのは最後のツアーだけで。
もう1つのSpring像ってのが、あと1歩が足りないという側面。
勝ち運がないっていうと失礼なんだけど、俺たち(MTT)からすればラッキーではあるんだけど、オニャンコ9手目とかたぶんめちゃくちゃ悔いたと思うし。2022のラファエルも。
Spring
めちゃくちゃわかります。
キララ
こんなんね、他人がいうのも失礼なんだけどね。しかも敵として戦ってる俺がいうのも本当に失礼ではあるんだけど(笑)。例えミスがあってもそれでもSpringは下手だ!っていう人っていないじゃないきっと。
Spring
(はい、とは言いにくそうだけど縦に首を大きく降る)
キララ
そのSpringくんが上手いって評価をしてる人たちを、更に納得させれる結果が一つ出たことがすごい良かったなーって思っていて。なにより試合内容がよすぎる。
キララ
上手いって評価をしている人たちがさ、上手いって言ってくれていても 今まで結果が最高ではない。。なんだろうね、例えばどれだけ上手いと言われても、戦績でいえばとしさんの方が勝ち星が多い―みたいなね。きっと自問自答もしまくってるんじゃないのかなって思っていて。僕って本当に強いんか上手いんか?みたいな。
Spring
めちゃくちゃしました(笑) 本当に色々考えました。
キララ
その辺含めて、今日の大Spring無双は見てて超楽しかったよ。負けたし帰ろっかなーて思ったけど残っててよかったって本当に思っちゃった。
Spring
今日、ミスもあったんですけど なんか今まで以上に冷静だったなって思っていて。
流れもいいなって思って後押ししてくれたのはあるんですけど、今年(グランプリ)も反省点は色々ありましたし、これまでもあったんですけど、ちょっとずつちょっとずつ修正していったのが、やっと今日はちょっと出たかなって感じです。
キララ
いやーあれでちょっとかよ(笑)
なんかね、今までSpringくんがこうありたかった!っていうSpringくんが出てきたんじゃないかなって思っちゃった。
Spring
ほんとそうです(笑)
キララ
とっくにこうなっててもおかしくなかった結果が、今日ソロっていう形ではあるけど出てきたっていう。
Spring
そこが悔しくって今まで。勝ちきれないってのは自分でもわかってて、上手いって言われるけど優勝できなきゃ意味ないでしょっていう悩みもあって。2023GPの後は特にそれを思っていて、みんなに2年連続で迷惑かけたって思いがありました。
2023GP、直前まで作業とかも終わらなくって。HHPにもめちゃくちゃ迷惑かけましたし。1人でそれができれば全部覆せるでしょって思って今回挑んでいました。
キララ
ほう・・!
Spring
今日、配信乗れなかったらきまクリに捨てられるっていう覚悟で、実際そんなことはないとは思うんですけど その覚悟でやらないとダメだなって思って今回やりました。結果出せば、なんか変なこと言ってくる人も黙るでしょ みたいな。
キララ
覚悟のレベルが違うわ。その覚悟でそもそもやれてたプロって何人いたんだろうって思わされちゃった。
この話を聞いて、俺も本気出せば勝てる!とか モチベーションがすごいから勝てないっていうのは言い訳でしかないわ。
本気になれるやつが一番強いに決まってる。TA59位のBEST32に言われてもアレだと思うけど、改めて参りました。
2つ質問をしましょう
キララ
今回ね、初見でSpringくんを知った人とかもいると思っていて。あとグランプリはチーム戦だから きまクリは聞いたことがあるけど、springくんはわからないーーみたいな人もいると思うんだよね。
そんな人がさ、今日もしも前のめりに見てたら「何この人まじでめちゃくちゃ上手いじゃん!」ってなったと思うんだ。
「Springになりたい!」って人も出てくると思ってるんだ。モンストステージだったし。
そんな人にどうしたらSpringくんになれますか?って聞かれたらどう答える?
Spring
はじめは、僕もTAは抜けれるけど勝てないし初戦負けばっかりだし全然勝てなかったんですね。
キララ
そうだったね。
Spring
それで負けるたびに自分に足りないところとか、努力すればーってことだけじゃないかもしれないですけど・・・。だいぶ時間はかかっちゃいましたけど、頑張れば結果はついてくるようになってくるって伝えたいですかね。
あと、自分でもやれるかも?って思ったらやってみてほしいなって思ってます。合う合わないはあると思いますけど、楽しいですし。
キララ
凡人が、Springくんみたいになりたい!って思ったら何からすればいいんだろ?・・・Springくんが増えてもこまるんだけどね。
Spring
(笑) 別に最初はモンストをやってたからある程度はできましたけど、考察っていう考察ができるわけでもなく、勝ち方をしっているわけでもなく、最初から勝てたわけじゃないですし・・・・・なんでこうなったんですかね。。笑 うーん。
キララ
これは憶測ではあるんだけど、責任感強いのかなって思ってみてます。
プレイやマイクとかツアーのポジションとか会話でも含めて。
Spring
・・責任感ですか?
キララ
うん。自覚があるかはわからないんだけど、周りからの信頼とか、勝ちきらないのに「Spring最強!」っていうwpみたいなやつがいて、それでも最強になれてないことってのはたぶん本人が誰よりも一番感じていたと思っていて。それがプレッシャーになったり、逃げたり逃げ出したくなる人もいると思うんだよね。要はさっきのSpring像の話。
その人たちを裏切れないから、応援や周りの声を力に変えるというか、努力のモチベーションに変えれているのかなって。
Spring
あ、それは絶対ありますね。
キララ
すごいことだと思うよ。2019のツアー終わったあと、このままかなり勝たせてもらってるのに俺もプレッシャーから勝ち逃げしたくなったもん。
こんだけ上手いって言われてたら、更に上手くなって勝たなきゃみたいな。上手いって信じてくれてる人たちの期待を裏切りたくないっていう思いが強いのかなーって見てて思うよ。
(ここでみんなからの贈り物という名の酒が隣の席からやってくる)
みんな
おめでとうございまーす!さあ、飲め
キララ
では最後に、「モンストやスタジアム、うまくなりたい!」って思ってる人にこうしたら上手くなれる近道かもしれないよ!っていうヒントをあげてください!
Spring(酔)
ちかみちっすかあああ
キララ
遠回りでもOKです。
Spring(酔)
ぼく、遠回りタイプなんですよーーー。うーーーん。。。
対戦するってのが大事だと思うんですけど、ハードル高いですかね?
キララ
友達と、とかでもいいのかな?
Spring(酔)
ぜんぜんいいとおもいます!
ただ、勝ちたいなって思える対戦相手とか環境がいいとおもいます。対戦して勝ちたいなって思ったら、自然と勝つ為に何をすればいいんだろうって考えるキッカケになるというか。打ち出し早くするとかももちろんそうだし、戦略から行く人は考察をしなおすだろうし。グランプリの真似のパーティでもいいしお試しパでもいいでしゅし、とりあえず戦うことから初めて見るのがいい気がしますぇ
友達同士でも、スタジアムやってる人でも誰でもいいので定期的に対戦するってのはすごいいいと思います。でもそういう環境がないから難しいかもしれないですけど・・。
キララ
そういうのは、せっかくサイトも作ったし なんか面白い仕掛けができたらいいなって思ってるので考えていきます!大会じゃなくてもさ、対戦募集用のアプリとか作ってさ、そこに書き込みがあると通知がくる みたいなこともできるかもしれないし。
Spring(酔)
それめちゃくちゃいいでしゅね!!(目をキラキラさせながら)
キララ
その辺はみんなで盛り上げていきましょ〜! 改めて優勝おめでとうございましたっ!!
Spring(酔)
ありがとうござ!!いますっ!!!(パタリ
—優勝したばかりだというのに、対戦マッチングができたら・・・という話で目をキラキラ輝かせていたSpring選手。
遠回りのソロチャンピオンの最強はしばらく揺るぐことはなさそうだと感じました。
大会前にふうやプロと話した時に
「Springとハゲ倒すなら酒飲ませるしかなくないですか?」
って話をしていたけどそれは本当にそうかもしれないなと思いました。
そして、Springプロの強さの裏側には、非公式大会でプレイに見惚れた応援者の声があったことも忘れてはいけないと思いました。
周りの声が選手を強くすることがあると思っているんですが、実はSpringプロの次に今日の優勝を喜んでいたのは、対戦相手であり相方のHHPプロでもなく、JrGP時代一緒にプレイしていたせっきー選手でもなく、公式放送のコメント欄でコメントしていたこの人なのかもしれない。
author:なんとかキララEL